家族やパートナーから、いびきの大きさを指摘されたことがある方もいるでしょう。いびきは疲れているときやお酒を飲んだ後など、誰にでも起こり得る現象です。しかし、毎晩のように大きないびきをかいていたり、寝ている間に呼吸が止まっているように見えたりする場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。これは眠っている間に空気の通り道である気道が狭くなったり、塞がってしまったりと一時的に呼吸が止まる状態を繰り返す病気です。
呼吸が止まると、体は酸素不足に陥ります。脳は危険を察知して目を覚まさせ、再び呼吸を始めさせようとします。この一連の流れを一晩のうちに何十回、何百回と繰り返すため、本人は無自覚でも脳と体は十分に休めません。その結果、日中に強い眠気に襲われる、集中力が続かないといった症状が現れます。車の運転中や大事な会議中に突然眠ってしまうなど、日常生活や社会生活に大きな支障をきたす危険性もあるでしょう。
また、睡眠時無呼吸症候群を放置すると体への負担は計り知れません。酸素不足の状態が長く続くことで心臓や血管に大きなストレスがかかり、高血圧や不整脈、心筋梗塞、脳卒中といった命に関わる病気を引き起こすリスクが高まることがわかっています。治療法としては、寝るときに鼻にマスクを装着し、圧力をかけた空気を送り込むCPAP療法が一般的です。これにより、寝ている間の気道を確保し無呼吸を防ぎます。いびきは単なる騒音の問題ではなく、健康を脅かす重要なサインかもしれません。気になる症状があれば、専門の医療機関に相談することが大切です。